壮絶な回。
認知症の母親と、95歳の父親。実家での介護生活を追ったドキュメンタリー。
2014年、母はアルツハイマー型認知症の診断を受ける。その時から、90歳を超えた父が80代後半の母の介護をする日々がはじまる…病気であることを突きつけられ苦悩する母、95歳で初めてリンゴの皮をむく父…認知症の患者を抱えた家族の日々を、娘である「私」の視点から丹念に描いた渾身のドキュメンタリー作品。
ザ・ノンフィクション 2019年12月8日(日)放送 ぼけますから、よろしくお願いします。 ~特別編~ - フジテレビ
自宅で老々介護。ヘルパーも頼まず自分たちでやろうとしていた両親。
母は体も思うように動かないし、よくわからないようになるときもある。
洗濯していなかったら自分のせいだと思うし、「何もしないでいい」と言われれば邪魔者扱いされていると感じる。
したいように生活できない、誰からも認められない状態が続くのは認知症以前にかなり苦しいだろうと辛くなる。
癇癪を起こして壁に穴を開けたり、「死んでしまいたい」と叫んだりする様子は母親の苦しみが実体化したみたいだった。
子供は段々と脳みそを発達させてがまんできるようになったり、工夫できるようになる。
介護されている母親はまるで子供に返っていっているようで、同時に正気の人格も存在していて、そのような状態の人をどう扱っていいのか私にはわからなかった。
介護する側、される側のどちらの立場になったとしても、自分がどうなりたいかという答えも出ない。
このドキュメンタリーは、私にとってとてもショッキングなものだった。
親戚とは没交渉でまわりに高齢者もおらず、『老い』とは無縁な生活をしている。
幸いいまは気ままにしたいように生きられている。
今後どうなるかなんていうのはわかりようもないけど、少なくとも『自分ですべて解決できないから適切に頼る』意識はずっと持ち続けたいと思った。
育児にも共通するところがあるけど、無理なもんは無理で、一番守らないといけないのは自分なんだと。
「迷惑かけたくないから」と自分一人で抱えてポカしてもっとひどいことになるのが一番悪い。
先人の苦しみは後世に遺伝させない責任が現役世代にあるんじゃないかな、と思ったりした。