『コンテイジョン』新型コロナがこわい今だから刺さるパンデミック映画

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世界的に新型コロナが広まってる今だからみんな観ているんだろうね。

最初はひとつの家族から。何だかわからないままに妻が倒れ搬送先で死亡。気持ちも落ち着かないままに今度は息子も亡くなってしまう。未知のウイルスであるから病院側も地に足付いた回答できないしで遺族側はやりきれない。ウイルスは忖度なしに拡大していく。世界中に広まり人は無人のスーパーに殺到して物を盗むし町は汚れる。感染者が誰かもわからないので人はお互いに疑心暗鬼に陥る。ワクチンが急がれるがもちろんすぐできない。ウイルスには『レンギョウ』が効く!とうそぶくブログに人は夢中になる。

等々いろんな立場の人たちがパンデミックに翻弄される姿が描かれた映画。愛だの恋だのアクションだの騙し騙されもなくただ、巻き込まれる人たちの非日常が淡々と進んでいく。だからこの映画で人が亡くなったり、感染してしまったり、拉致されようとも悲しいトラブルではなく「なるべくしてなった」と冷静な気持ちで観ることができるし、パンデミックを安全な場所から眺める意義があるんだと思う。

 

この映画は結果的にワクチンができてパンデミック終息エンドだけど、それを全世界に行き渡らせることの大変さをも描かれていて、全員が接種をして公衆衛生を保つまでがゴールということを教えてくれる。作中で誰からワクチンを投与するか、誕生日でガラガラポンをしていたが結局あれが究極の公平な形なのかもしれないと思うと、いち市民の命というのは流されるままに流れていくだけなんだと無常さを感じた。

 

ウイルスが広がるのは飛沫、握手、バスの持ち手やつり革など私たちの身近なものだと映されているのが啓蒙的だ。映画はこのパンデミックの始まりで終わる。森林伐採で追いやられたコウモリが豚舎に入り込みフンをする。フンを食べた子豚が食用出荷されレストランで調理される。調理していたシェフが手を洗わず衣服で拭ったその手で客と握手する。その客はそのままの手でグラスを口に運ぶ・・・。シェフと握手した女性というのが、冒頭で亡くなった奥さんだし森林伐採していたのはその奥さんが勤める会社だった。すべてが繋がっていて恐ろしさを感じると同時に、手洗いをすれば・・・!と思う場面が少なからずあり、自分がするべきことがシンプルに理解できる。

 

不謹慎ながら、新型コロナに脅かされている状況でもないと真に楽しめなかった映画だったと思う。2011年に制作されているが古さも感じず教えてもらうことが多くあった。