世の中には乳腺炎にキャベツが効くと教えられることがあるらしい。
炎症を外部から冷やす対処方法みたいだけど、パンパースのサイトには対処項目に冷やす内容はない。
乳腺炎に気づいたら、すぐに治療することが大切です。最初は風邪のような症状がでてきて、胸に チクチクする痛みを感じます。この時点で どのように乳腺炎を治療していくかについてお医者さんや助産師さんと相談することが大切です。治療をせずに放置すれば、膿が溜まり膿瘍が形成されてドレナージュ術が必要となるでしょう。乳腺炎の治療には一般に経口用の抗生物質が処方されます。
ふつうはお医者に行って薬を処方してもらうみたい。
ということは、キャベツ湿布はいわゆる民間療法・トンデモ科学に分類される行為だと。
国家資格を持っている助産師さんが効果のない自己満足行為を勧めるのはおかしくないか?
助産師といえば、医者・看護師に並ぶ医療従事者だ。
医療業界と縁のない一般人、しかも出産を終えて間もない女性に是か非の判断はできないだろう。
しかも相手は助産師で、業界のプロ。
変なことするもんだな?と思っても、断ることができる雰囲気とは到底思えない。
現役看護師さんが当事者に近い立場から書いてくれたのがこちら。
人間がもつ自然の治癒力やなんやらを通じて医療行為をしようというのは、西洋医学や医者に対するアンチテーゼから始まってる、というのはなるほど納得できる。
だけど医療行為というのは実績があり実施が認められたものであるべきで、そのへんの助産師や看護師が「よかれと思って」することではない。
その分別が患者側でつけられないのが、厄介であり悪徳だと思う。
キャベツ湿布に話を戻せば、 この行為は看護師の教科書に対処方法として写真付きで掲載されていた。
しかし、引用元では推奨しない旨が書いてある。
室温もしくは冷蔵庫で冷やした生キャベツの葉を、乳頭・乳輪を隠さないようにして乳房に貼り付ける方法が、欧米でよく用いられている。RCT(無作為抽出対照試験)での結果は、緊満を解消するという実証はされていない。また、最近ではリステリア菌の報告もあり、慎重に使用したほうがいい。
悪質~!
効果がないうえに、赤ちゃんの命に関わるような病原菌に感染する可能性があるなんて、絶対やってはいけない。
そもそもそんな危険なことを助産師が吹聴していることに、問題はないのだろうか?
助産教育の権威も今は否定している「キャベツ湿布」が、いまだに助産師によって出産したばかりの母親たちに広められていることについて、職能団体である日本助産師会はどう考えているのか。メールで回答があった。
「キャベツ湿布について、日本助産師会(職能団体)としての統一した考えは特に示しておりません」
「教育的に取り入れているのであれば、教育関係者にご確認いただくことが確実な回答になると思います」として、エビデンスがなくリステリア菌感染の危険がある助産技術が助産師によって広がっていることについては見解を示さなかった。
他人事~!
民間療法を国家資格である助産師が広めていることについて、助産師の業務を管轄する厚生労働省看護課は、「助産師が業務として行なっていることを細かく規定しているわけではないし、キャベツ湿布が民間療法かどうかも含めて、いいとか悪いとか判断はしない」と回答。
これによって、赤ちゃんの健康に問題が起きる可能性についてもこう答えた。
「訴訟が起こされたり、医療安全上の調査が入った場合は、担当する課に連絡が行くと思います。今、特別何か問題として取り上げる予定はありません」
「つらくて不安で、わらにもすがる思いでした」 キャベツ湿布、日本助産師会は「統一見解は示していない」と回答 - BuzzFeed News
ことなかれ~!
厚生労働省の回答が一番がっかり。
ということは、民間療法で何か起こった場合は信じた側が悪くなる??
国家資格とは???日本は性善説でまわっている???
これは私の考え方を改めないといけないみたいである。
医療にお世話になるときは、それこそ命がけ。
だけど現場の感覚や考え方なんかは外からわかるわけがない。
こういうことがある、と見ておくだけでもかなり変わるんじゃないかと思う。
お気をつけください。