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これがいまの仁侠映画『孤狼の血』

これは傑作ではないかと思います。あまり期待してなかった分鑑賞後の「良い」が高止まりしている。

ガミさん、ガミさんかっこいい。この映画は「実はいい奴展開」ではあるけど、でも本質は良いとか悪いとかラベル貼るんじゃなくてその時々そうやってやっていくしかないっていう苦みを感じるのがいいストーリーだった。だからガミさんがしてきた人との関わり方をやっと理解して自分なりに決着を付ける日岡の行動は本当に応援できる。ガミさんは警察と組同士バランスとってやってきてたけど、日岡はそうしなかった。本編の時代から暴対法もできるし、存在を許さない厳しい社会を作っていくのが私も正しいと思う。(それで終わる問題でもないけど)

背中でなくジッポで語るガミさん渋すぎるな。

 

アウトロー刑事の大上は警察でありながらヤクザと密な関係を築いていて、映画『世界で一番悪い奴ら』のように飲まれていくかなーなんて思ったけど綱渡りでやり続けるのはやはり無理がある…。遅かれ早かれ生き死にに直面するだろうし警察だからって仕事が重すぎる。それでも仕事をするのは信念とか意地とか人間の根幹から向かっているからであって、すごい偉大な人だった。冒頭で日岡が「転職しなねー」と言われていたけど、「ほんとそれよ」と思ったね。

 

俳優陣は上から下まで文句なくいい演技だった。知ってる顔だから目に付いたからかもだけど中村倫也は躊躇わず人の耳を食いちぎるポン中鉄砲玉役が魅力的。江口洋介がラスト和太鼓をバックに刀を持って殺しに行くところなんて芸術点が高い。そして刀を首に刺して飛び散る鮮血もまたきれいで。真っ黒い血が流れて溜まっていくおどろおどろしさも印象に残る。警察の滝藤賢一もイヤ~な奴感が絶妙でハマっていた。ああいうのが出世していくよね…。

 

バイオレンスシーンもえぐいけど塩梅が良くて、腐った生首だのパンパンの水死体だのハサミで指チョキンだのがシリアスに作り込まれていて引き込まれた。私はグロいものが割と苦手だけどやっぱりちょっと観たい気持ちもある中途半端な感じで、ちょうどいい「ウワッ!」なやつを真正面からみせてくれたこの映画はすごく好き。

 

続編も決定しているみたいなので期待できる。『仁義なき戦い』やVシネを現代の映画規模感にアップグレードしたんでなくエンタメ映画として質の高い作品だった。おすすめです。

 

孤狼の血

孤狼の血

  • 発売日: 2018/11/02
  • メディア: Prime Video
 

 

 

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