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『逃げるは恥だが役に立つ ガンバレ人類!新春スペシャル!!』感想

現代のもやもやを詰め込みまくっていましたね。確かに説教臭く、ちとくどいと感じるところもあったけど良い作品でした。

 

・選択的夫婦別姓制度

・現場都合による妊娠の自粛

・男性産休・育休のハードル

・『男らしさ』の呪い

・辛いつわりの描写(身体的、精神的、生活的)

・計画的無痛分娩

・男女ともに使える子供の名前

・おひとりさま問題

・子宮体がん

・同性愛

などなど詰め込みまくったうえにコロナまで入ってきてよくSPドラマに仕上げたな・・・と。この中のどれかは観ている人に刺さるんだろうし、私的には選択的夫婦別姓制度、育休取得のハードル、無痛分娩についてが興味深かった。

 

原作漫画を読んでいたので、

・ひらまささんがモテる

・ゆりちゃんのがんと恋愛

を期待していただけにアテが外れ残念だったけど、それ以上のボリュームに殴られてびっくり。問題提起ができる有名作品というのは貴重で、ありがたいとすら。

 

妊娠育児の辛さがつらい

話はみくりが妊娠するところから始まるのだけど、これがまー大変で。。というか妊娠する前から、職場では順番通りにするのが暗黙の了解になってるだとかどんな人権侵害なんだ・・・と思うけど、保育士の記事なんかで見かけたことあるから現実なんだろうな。そんな職場やめたらいいじゃんとかそんなの解決にならないし、転職重ねて非正規になって賃金下がって・・・とかなったら目も当てられない。一家を一人で養えない時代に余計未来が見えなくなったら少子化になるのは当然でしょう。

それでも子供を産んで育てる人は社会に歓迎なんてされないし、むしろ産休だ育休だで疎まれるのよね?そっから保育所に入れるかもわからず育休を伸ばしたところで復帰しづらいわけだし、、社会構造が適応してなさすぎてつらすぎるだろ。

 

つわりが辛いのとか、夫婦二人で乗り越えるのは限界があるとか、結構長く話がつらいつらいでシュンとしてしまうんだけど、これはみくりが参ってしまってるからなんだなーと後から気づいた。ホルモンの関係とかもう色々あるのはわかるんだけど、ドラマ本編のときには現状と対策を俯瞰の視点で言語化できて頼もしく見えたみくりがそれを発揮できるところが少なかったから、つらい部分が多かったのかな。

家事を外注したり、感情の共有の大事さに気付くところはもっと大きな気づきとしてほしかったくらいで、辛そうにしてるみくりとひらまさを見てるのがなかなかにつらいというのはあった。

 

コロナがつらい

つらいにつらいを重ねてくるもんで、まさか逃げ恥がコロナ禍に突入するとは。ちょうど産後からコロナが流行った設定で、ほんと、子どもを抱えた人たちは不安だったろうし、今も不安なんだろうな。みくりは館山の実家という疎開先があってまあ一時は良しとなったけども、そういった先がない人や実家の支援を受けられない人、シングル家庭もあることを思うと、ニュース見てても見えてこない人たちがたくさんいるんだなと思った。

コロナ禍で家族が一緒に過ごせなくて、だから会えたときはよけい嬉しくて、、やっとハグできるようになったね、、と・・・感動的な音楽とともにふわわっとほんわりした雰囲気が漂うものの、コロナという現実が現実すぎて私はキュンできず・・・それに家族になってからのキュンて難しい気がするんだけど、どうなんだろう。見慣れてないだけかもしれない。

 

 

つらいだの説教くさいだの散々言ったものの、考えることを感づかせてくれるいいドラマだった。これが楽しい楽しいガッキーカワイイドラマだったらこんなに気持ちが変わらないし、背筋が伸びる思いにはならない。選択的夫婦別姓制度とか、無痛分娩とか、育休を当たり前に取得だとか、当たり前に思うことを発信しても何か「(悪い意味の)フェミっぽい」とか思われそうで主張できないところもあるけど、ドラマでカジュアルに表現されると和らいですごく良い。妊娠中のひらまささんのダメ夫描写はちょっと、『スカッと』的なモデルにされたみたいでかわいそうだったな。(育児を手伝う等)