映画で明かされる真実には驚いたけど、「良い!」とか「悪い!」とか取り立てて刺さるところがなかった。
それにしても、よくこれまでこの映画のネタバレに遭わなかったもんだと思ってしまった。
初回に観たときは寝てしまったので、2回観た。
やっぱり真実がわかっていると見え方がだいぶ違う。
ねじれていく集団を止められず被害者ポジションで巻き込まれていく話が真反対になる。
不眠症で夜間の活動もしていて記憶も曖昧で、どこまでが本当でぼやけていて間違っているのかが判断できず、この映画を理解するのは不可能だと思った。
初回ではまったく気づかなかったサブリミナルがやたら気味悪く、とんでもなく怖かった。
ラストシーンに挿入されていた局部のサブリミナルは、映画側からのおちょくりを感じて自分の現実に引き戻されたような気持ちがした。
作中でブラピがやっていたいたずらと同じ仕掛けなわけだけど、この映画自体も昼間の自分を都合よくつなぎ合わせていたんだからという・・・そういうこと?
イマジナリーフレンドというのは私にとってなじみがないから調べた。
解離性同一性障害と似たような症状が起こる場合もあるそうで、心に問題を抱えているということになる。
主人公は精神的な辛さから、身体的に最強の男(ブラピ)を作り上げているが、自分と空想のコントラストが強すぎていびつさを感じた。
だからこそ、あいつが俺だったのか・・・なシーンでは「にわかに信じられない!」な気持ちになれたんだろう、おそらく。
ラストシーンでは、自分であってほしい男と対峙して死ぬ覚悟でもって勝って、本当の意味でマールと向き合えた。
弱い自分が強い自分に打ち勝った。
男性には表に出しづらい弱さや辛さがあってやり過ごしていたりするけど、本当の自分を出せる自由な場所を獲得したストーリーというのは希望になり得る?
いやいやこれは私の考えすぎで、ブラピカッケーファイトクラブやりてえで終わる話なのかも・・・。
とにかく、ベッドが強いのは本当で良かったねえ、と思いながらエンドロールを眺めて終わった。
吹き替え版がアマゾンプライムになくて残念。
平田弘明と山寺宏一声でも観たい。
おわり。