柴門ふみ著「結婚の嘘」読みました。
過激なタイトルですよね。どきどきします。
私は未婚ですけど、「結婚は勢いでするもの」という意味がわかってきた頃です。
考え始めるとキリがなくなる結婚。
想像と現実のギャップが大きすぎて、こんなはずじゃなかった!!となりがちなのでしょう。
その差を埋めるにはぴったりの本だと思います。
現実すぎていやになるかも・・・。
目次
結婚は互助会
描いていた結婚生活と違うこと、夫にがっかりする毎日が続くよりも「結婚は互助会」と考え方を変えることで柴門さんは楽になったそうです。
近すぎた距離をすこし離して、相手を尊重できるようないい表現だと思います。
互助会の具体的な内容は、他人に気軽に頼めないことをしてくれる。ということ。
入院時に荷物を届けたり、支払いをしといてもらったり、重いものを持ってくれたり、、ささいなことだけど「家族だから」気軽に頼める。
全然キラキラしてない支え合いですね。
でもしてもらって当たり前だったことを「してもらっててありがたかったんだな」と思い直すきっかけになりそうです。
私はなりました。「互助会」という表現がビジネス的でとっても良いと思います。
男脳と女脳の断定は不確実
第3章から、男性と女性を形作るのは脳みその違いによるものだと書かれています。
2017年の記事ですが、男脳と女脳として分別できる決定的な違いはまだないそうです。
男女それぞれ、脳梁の太さを測ったら、女性のほうが太かったと。でも、この論文のデータは男性9人、女性5人からしかとってないんです。それだけで、女性のほうが左右の脳の連絡がよくできてるっていう結果にしている。そもそも信頼性がないし、その後、いろいろな研究者が再現しようとしたんだけど、結局できてません。今さすがにこれを信じている脳科学者はあんまりいないんですよ
でもこの本で書かれている夫婦のもめ事は今でも通用する、普遍的なことなんですよね。
その現象は男女の考え方の違いによって起こったことで、性差が見られる。と言われると、あるあるすぎてそうかも・・・!と思ってしまう。
生まれてから従来のレール上を生きていくおおかたの日本人は、後天的に得た人格も用意された「男」と「女」をかぶることになるからですかね。
釣った魚にエサはやらない、なんて話もありましたが、私の家でもその通りで。
気づけば彼の部屋はゴミが貯まり、主体的な家事もいまや期待できない。
??最初からそういう人だったら付き合っていなかったのにな?と思ったことも幾度かあります。
まさにこういったことも本編で語られている「永久不滅ポイント」。
爆発したら終わりなんでしょうね。こわこわ。
妻と夫は別物!別物!&これ言ったらダメ!ダメ!
恋愛結婚が主流の現代、「愛情は4年で終わる」と偉大な先生が論文で発表しても新婚時代には信じられないし信じたくないですよね。
それがまあ、柴門さんの体験を通じた言葉を読むと、重すぎるくらいお腹にきます。どストレートパンチです。
夫婦生活も長くなれば緊張感もなくなり、「頑張って察する」こともなくなります。
それが露呈した頃にやっと、わかり合えないことがわかるのです。
男女・・・というより、個の人物としてどんな生態なのか明らかになるというか。
ちょうどわかり合いたいけどわかり合えない無常さみたいなことを書いていました。通ずることだと思います。
人間が違えば一心同体なんて不可能。
恋愛結婚の果てに掴んだ幸せは自分が勝手に描いていたファンタジーなんだ、と気づけば「なんでこんなこともわからないの!?」がなくなって、すごく楽になります。
自分と夫は異なる事例をこれでもかっと挙げて、目を覚まさせてくれます。
相手を役立たずのわからず屋と罵って暮らしていくより、別物別物!理解できないもう知らん!と自分で立ち回れるようになれる本だと思います。
相手にも相手なりのプライドがあることを忘れてはいけない
いくら自分が憤っていても、そのまま放出すると取り返しがつかなくなることがあります。
この本では<結婚生活の破綻を招く妻の十一の言動>として挙げてくれているので、予防としては必見だと思います。
「夫に何かをしてほしかったら相手をたてて、その気にさせる」というアドバイスをよく見かけます。
イヤイヤ、「履いた靴下を丸めてカゴに入れないで」を言うのに何でこっちがお願いのテイなのよ・・・と思ったりしたことはないでしょうか?(私はめちゃめちゃあります)
「〇〇してよ!」口調はやる気が失せるが、「〇〇してくれると助かるからよろしく」と言われると素直に従う気になるそうです。
私的には指摘されてる時点でやばいのに・・・と思いますが、そういうもんらしいので割り切るしかないかなっと思えるようになりました。
だって別の人間だから。理解できないけど、期待して勝手に裏切られた気分になってイライラして不穏になるのは、誰も得しないし時間の無駄ですよね。
だったらもう自分が言う指摘はお願い事に変えちゃって、気持ちよくやってもらう習慣に仕立てあげたらいいんじゃないかと。
虚無ですけどね。いずれ慣れると思います。
女性の立場から言いたい放題本だけど真実でしかない
柴門さんは昭和の夫婦真っ只中からもがいて考えて分析して、家族のために尽力されたんだろうな~というのがよくわかりました。
これから結婚しようとする人達も、結婚して何十年と経っている人達も、この本に書いてある考え方や処世術は共通しているんだと思います。
自分の抱えている不満をグチってすっきりしたあとに、何をするか?
スッキリしたまま忘れてまた同じグチを始めるか、解決のために動くか、自分の考えを変えてみるか・・・。
いやんなるほど長くなりそうな人生、どうするかは自分次第なんだなと教えられた1冊でした。
おわり。