彩度低めの映像がとても優しくて落ち着く。
子供時代とか青春時代が尊いっていうのはよくある描写だけど、家族や近所の人、光景ひっくるめてすべての一秒が貴重で愛おしくて眩しい映画。いいお姉さんたちだ…なんていい近所の人なんだ…サッカークラブの子たちも…ああ、イヤな人なんていないんだ…!と気づいてからファンタジー日常ものとして気持ちよく観ることができた。作中も言われていたけど、4人がずっと同じように住み続けることはないだろうからこそ儚くて大事にしたい時間が描かれている。
姉妹のほほえま暮らしを軸に、出て行った母親との関係のゆらぎとか、すずが感じていた抑圧感とか、ちょっとしたほろ苦さが入ってくるんだけど辛さはなくて話の緩急が美しい。掘れば幸の恋愛とかすずが父親を看病していたこととか、重くしたり悲しくなったりするはずなんだけど、はっきり描写されないことで想像が深まってその子のことを好きになってしまう現象がある。
映画を観る前は「こんなスター俳優ばっか集めてしょーもない」と思っていたけど、いや全然みんなハマってらっしゃる。特に堤真一のダメ優しい加減が…なんか好きになるのもわかるなあ、なんて思ってしまったり。
地元に根付いて生活するのに憧れる映画だったなー…周囲の人が良い人、という条件付きではあるけど、、
一番好きなのは四姉妹のエンドロール、品があってフォントもきれい。
最後にほっと、「良い映画だったな」と思った。