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【映画】『ヒメアノ〜ル』感想

森田剛の怪演」だけ聞いたことがある映画。原作は未読。

 

「なにも起こらない日々」に焦りを感じながら、ビル清掃会社のパートタイマーとして働く岡田(濱田岳)。同僚の安藤(ムロツヨシ)が想いを寄せるユカ(佐津川愛美)が働くカフェに向かうと、そこで高校時代の同級生・森田正一(森田剛)と出会うが、その後ユカから森田にストーキングされていると知らされる…。(C)2016「ヒメアノ~ル」製作委員会

アマプラ説明文より

 

安藤に黙ってユカちゃんと距離を縮め、あまつさえ「内緒で付き合っちゃおっか」などとお気楽カップルしちゃうのは、その後の惨劇を予想してしまって恐ろしくなりました。前半のフツーな恋愛模様はやっぱりフツーなんだけど、正体不明のストーカー森田がチラチラ入ってくるし、安藤先輩はキレたらやばそう・・・で勝手にヒヤヒヤしてしまってテンポよく見れた。

 

ユカと付き合った岡田が家に二人で入ったあと、それを見つめる森田。タイトルロゴが出てくる・・・あ、ここから始まるのか・・・!と気づかされる演出がすごく効いている。ストーカーの森田は飲みに行ってくれるほど人付き合いはいいけど話が通じないので、行動に移ったときにどうなるのか、大変なことになりそうだな、、と思った。

 

無敵の人とは少し違う、目的のためなら殴っても殺しても何とも思わない森田。狙われてしまったら最後、友人・隣人・関わった人すべて暴力を振るうさまは生まれながらの気質か?と思ってしまうほど。

漫画ではどうしようもない殺人気質の森田が襲いに来るという話らしく、森田像が結構変わるんだな、と思った。映画の森田は、得体のしれない殺人鬼からラスト一転、子供の頃の自分を取り戻し、凄惨ないじめから逃れるために変わってしまった・変わらざるをえなかった人間という人物像になっている。

「麦茶2個持ってきて~」のところは本当に悲しくて、本人の無垢さと現実の地獄が混ざり合って泣いた。なんでこんなことになってしまったのか、何が悪かったのか、少なくともあの頃の森田は悪くなかった。何か嚙み合わなくなってしまったものが変わって流れ着いてしまったんだ、と人生の理不尽にオヨヨと涙してしまった。

 

後で結末も原作と違うということを知って、それは・・・そうなのだとしたら漫画『ヒメアノ~ル』から着想を得た作品です、になるんじゃないかなあ。と思ったものの、まあややこしいし、実写化!!は宣伝しやすいしでなんともいえない気持ちになりました。

確かにラストにかけて岡田と森田がもみ合って2階の窓から落ちるところなんて興奮したし、犬を避けて事故→回想で回収というのも映像でよく映える表現方法だった。原作そのまま実写化は正解だけど、こうやって映画ならではの良い表現(客層に向けた肌触りの演出)もまた正解なのかなーと考えを改めた。どこかのインタビューでR15におさまる表現にしている、と見たけど中身はだいぶひどいのでそれはいかがなものか・・・と思ったりした。面白かったです。

 

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natalie.mu