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『CODA あいのうた』

2022年アカデミー作品賞の『CODA あいのうた』観た。良かった。

 

序盤からヤングケアラー描写がいたたまれなく、家族もありえんくらいデリカシーなくてキツすぎるが、男の子が気になったり合唱部で頑張ってるシーンなどで青春を感じ、でもやっぱり平穏には過ごせないよね・・・感が常にあって。

最初は、家族大変だけど頑張ってる私物語か?と思ったけど、ろうあの労働者が船一つで生活してるところや、人間らしく生々しい家族、育ちのため発音に不安があってみんなの前で歌えないとこなど・・いちいち重たい割にリアルさ・・・説得力があって良い。

 

頑張って歌を練習してたルビーが先生に見初められて大学を目指す頃、事業停止になって・・・の辺りからもうずっと泣いてたが。不器用な父親、娘依存の母親、理解はあるがどうにもできない兄、進学を家族のために諦めようとする娘。全員助かりたいのに報われなくて、現実の強さに負けそうになる、というか一回負ける。でもそこから発表会をきっかけに、ルビーの歌を感じるシーンに繋がって受験会場に・・の流れが美しすぎる!ずっと泣いてたが!!

 

発表会なんかはろうあ者の疎外感を特に感じる作りになっていて、わかりたいのに辛いなって気持ちにさせられた。わからないんだから音楽に乗れないのは当然だよね。。人を泣かせるくらい心を動かす歌ってめっちゃすごいことだよね。娘を絶対に誇っていい場面なのに、自分が実感できないの、かなり・・・。

でもそこから、帰ってきてルビーの喉から歌を聴くシーン、私にも伝わった!!ルビーの歌を聴きながら、大きく歌ってるから震えが大きいだろうな、とか丁寧に歌ってるところは繊細な動きをしているんだろうな、とか!4DXでもないのに、感触が伝わってきた!このシーン、映画と観客という枠を超えた体験ができるのめちゃくちゃすごい。

 

この映画は自立のストーリーだけど、親離れだけでなく子離れも含んでいて、実際親の方が子に依存していたと思う。兄が女子とチャットで話していたシーンがあっただけに、親側ももっとコミュニケーション取っていけ!!と腹立たしくなったものの、最後はなんだかんだうまくいって良かった。でもそれはろうあ者の努力不足じゃなくて、環境や社会の方が悪いんだろうな。考えたことなかったけど、なんかもっと人が生きやすくなってほしいよ、と思う映画だった。最後の手話はわからず撃沈した。