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西原 理恵子著「女の子が生きていくときに、覚えていてほしいこと」やさしい本だった

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「女の子が生きていくときに、覚えていてほしいこと」読みました。

生きていくうえで何を大事にするべきか、失敗してからどうするか、自分がどう考え行動していくか、のヒントがまんべんに書いてあり良かったです。

むずかしいことは書いてありません。

西原さんの身の上話とからめ語られるので、2人でちょっと静かな飲み屋で話を聞いているようなフランクさがあります。

 

この本の西原さんは、母親とも友達ともちがう…バイト先の先輩?みたいな感覚で語りかけてくれます。

「わたしは昔こうだったんよ~」「あのときこうだったんよ~」「田舎はね~」なんて、自身の経験に裏打ちされただけに説得力がすごい。

おすすめです。

 

 

「結婚か、仕事かだったら、どっちもとってください。」

いちばん響いたなあ~。

共働き当たり前の世の中になって、結婚とか子どもとか考えるようになって、でも両立なんてすごく難しいだろうしで、がんばったからできるもんでもなくて…働かなきゃ生きていけないのに、プラス子どもなんてムリくないか!?と私はいま思っているんですが。

「子どもも仕事もほしい!」がぜいたく扱いされて非難されるのも、またおかしいと思っています。

 

みんなが生きたいように社会の仕組みを変えていくべきなのに、システムがまったく追いついていなくて損するのは、リスクを最小限にしたいと考えてる責任感のある人だけ。

動けなくて固まってるうちに年齢を重ねて戻れなくなる。

それも「自分で選んだんだからでしょ」なんて言われちゃうし。

仕事もしっかりやりたいし、子どももまともに育ててあげたいって思うのはふつうなのに!

 

そんな困難な時代であることは前提で、「社会がわるい!政治がわるい!」とグチるだけじゃなくて、「どっちもとるために自分はいま何をすべきか」を考えよう、とこの本で言ってくれています。

 

具体的には、就職をする、良い給料を得るために資格をとる、夫がいなくなったとしてもひとりで生きていけるようにする。

 

年収の高いひとと結婚するのは、リスクだと言い切っています。

なぜなら金銭的な軸を1人だけにすると、あやういから。

逆に、家事や育児の軸を1人だけの分担とすることも危険なことですよね。

 

イクメンだ家事分担だの…というより、各人が家庭内で独立する必要があるんですね。

子どもが生まれても一緒だよね。

小学生や中学生になって何かできるようになれば任せる。

みんなが当事者になるってことが大事だし、苦しいことを抱えすぎないで手放す勇気も必要なんだと思った!

 

大変は大変だけど、できるだけ楽…というか、荷物を軽くするためにどうするか考えて行動していくべきなんだな、と…。

 

 

「夢はひとつだけじゃなくて、いっぱい持っておくといい。」

良いなあ~と思ったところ。

わたしはいま何者にもなっていなくて、夢をかなえてない人生を送っています。

本のなかで、

夢は、ひとつだけじゃなくて、いっぱい持っておくといい。

テニスプレイヤーが夢だとしたら、そのほかにテニスのお店をやるとか、テニスのコーチになるとか、テニスのコーディネーターになるとかね。

 とあります。(「女の一途は、幸せのジャマ。夢は、いっぱいあったほうがいい。」より)

 

確かになあ…と思ったわけです。

こういう柔軟な考え方っていうのは、夢にかぎらず生きていくうえで良い考え方!

「テニスプレイヤーにならなかった」という事実から、「なれなかった」人生になるのか、「その道を選ばなかった」人生になるのか、といったところでしょうか。

自分を認めて、ほめて、肯定してあげたほうが、気持ちよく生きられる。

そのために何ができるか、ムリしない程度にやっていきたいもんですね。

 

 

母と娘の距離感について

この本は、1冊通して母親である西原さんと娘さんの関係について書かれています。

子どもの頃の様子、反抗期の様子、1人の人間として船出していく様子…など、しみじみとした語り口が文章から感じられます。

やっぱり母と娘っていうのは、単純にはいかないもんなんだな~?と思います。

実際、私も自分の母に対して思うところはありますし、ストレートに甘えることができません。

 

西原さんは娘さんに対して、ちょっと俯瞰から見ているような、「あなたはそういう人なのね」感覚でいます。

「でもわたしはこうだけどね」という西原さんならではの視点が、私は安心しました。

(母)親とは、子どもに無償の愛を注ぐものだ。いつまでも味方でいるものだ。と、親子関係は美しい一辺倒のものではないと思っていたので、なんかニンゲンくさい西原さんの親子描写が良かったです。

親子関係をこじらせてるってほどでもないけど、なんとも言えないなっていう私は、面白く読むことができました。

 

 

 だいじなことはシンプル

本を読んで響いたのは、↑3点だったりします。

結局、「覚えていてほしいこと」とは何だったのか?というと、

  • ひとりで生きていけるようにする(金銭的、能力的に)
  • 王子様を待たない(指輪や寿司は自分のお金を払う)
  • ガマンしすぎない(切るタイミングを見極める)
  • 困ったときの駆け込み先を認識しておく(福祉など)
  • ちょっとズルしても平気(犯罪しない)

 

ほぼ当たり前のことですよね。

でも、のほほんと生きてるとこのことすら曇って見えなくなるわけです。

結婚したらゴール、子ども育てたら終わり。じゃなくて、生きているのは「自分の」人生なわけだから、くいっぱぐれないために、笑っているためにやっていこうよ。ってことですね。