『娼年』わからないことも受け止めて理解を示す姿勢が印象的

松坂桃李4時間スペシャルかってくらい濃い。

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ヘッドホンじゃないと観れなかった。

スカウトされて大学生が娼夫になる話。テストから何人ものお客さんを経て同僚、友達、再テストと・・・行為のシーンがしっかり撮られていて胸やけするほど。最初のお客さんまではこのまま娼夫の仕事シーンが続くのかと思いきや、二人目のお客さんの放尿を見ながら後光の差すリョウを観て「これは救いの話なのか」と思い直した。

接客は穏やかに精神的なところから入っていって本番の仕事は完璧にこなす天才ぶりで一気に人気が出る。だから友達にバレて詰められていたけど、あんな言われるようなことしたのかねーと話の山場がカラぶってたようにみえた。よっぽどお客さんとのほうが絆を深めていたようだったので、あの友達はどのくらい大切でどんな仲なのかいまいちわからず。ノート見せてくれただけじゃないか。

 

「~なのよ」「そうね」「~だわ」とかいう女言葉っていうのか、よくあるけど独特の言い回しが鼻につく。女社長というキャラクターだからなのか、そういうのって古くてきつい。さくらは耳が聞こえないながらにテストの相手をしているが、喘ぎ声は一般的なものでちょっとがっかり。私は女性の喘ぎ声というのはAVの真似っこだと思っているので、耳が聞こえない人が自然にたどり着くのか?と疑問。テスト用に指示が入ったというならそれまで。適宜入るジャジーなBGMがうるさくてださい。

娼年はR18だけども、AVのR18よりももっと生々しくてファンタジー要素がないのがすごい。口だったり手だったり色んな要素を入れてる割に画が安定しているし、生っぽいんだけど臭すぎない塩梅が絶妙。序盤で救いの話と捉え直したが、まわりまわってリョウの救いにも繋がっていて話の流れは理解できるものになっている。

 

はじめはリョウの浮世離れした感情のなさが漫画のキャラクターみたいできつかったけど、仕事を続けていくうちに顔も明るく口数も増えてその変わりようを自然に感じられて良かった。娘と寝ろだの指を折れだの言われてこなせる本人のヘンテコさとまわりのヘンテコさが相まってやっとリョウの人生が前を向き始めたんだろう。よいこと。ラストのクライマックスシーンではガンダムの精神世界のようなものが始まっていよいよ極まったな、と思ったけどまあこれまで淡々と進んできた分ぶっ飛んだほうが大山場感が出てきれいに終われる。

人と一緒に観るには激しすぎて、鑑賞後に語り合うぐらいじゃないと気まずい思いをするのでお茶の間は注意。

娼年

娼年

  • 発売日: 2018/08/22
  • メディア: Prime Video